特定目的会社(TMK)設立
Tokutei Mokuteki Kaisha
資金調達もしくは、資産のオフバランス等を目的に、不動産等の特定資産を流動化・証券化するために必要な、特別目的事業体(Special Purpose Vehicle、SPV)の1つである特定目的会社(Tokutei Mokuteki Kaisya、TMK)設立登記の申請手続きを代理いたします。
特定目的会社(TMK)設立について
特定目的会社(Tokutei Mokuteki Kaisya、TMK)とは、特別目的事業体(Special Purpose Vehicle、SPV)の1つで、「資産の流動化に関する法律」(通称:資産流動化法、SPC法)によって認められた不動産等の特定資産を証券化するための特殊な法人のことをいいます。
特定目的会社は、内閣総理大臣に対する届出をした資産流動化計画に関する業務のみ行うもので、特定社員(株式会社でいえば発起人にあたる株主)と優先出資社員(株式会社でいえば一般の株主)とから構成され、機関構成(役員等)は取締役・監査役各1名のみ必置すればよく(資産流動化計画によっては会計監査人も1名必置)、一定の要件をみなした場合は、優先出資に対する配当には課税されないという措置がとられることから、不動産等の証券化の仕組み(スキーム)に用いられます。
特定目的会社を用いた不動産等の特定資産証券化スキームを、簡単に説明すると次のとおりとなります。
[1] 特定目的会社がオリジネーター(不動産等の原所有者)から不動産等を譲受けます。
[2] 特定目的会社は、オリジネーターに対して支払う売買代金の資金を調達するため、一般投資家等から出資(優先出資)を受けたり、借入れをし、対応する優先出資証券・優先社債(資産対応証券:Asset-Based Securities、ABS)を発行します。
[3] 特定目的会社は、資産流動化計画に従った特定資産の譲り受け並びに管理及び処分に係る業務のみを行い、不動産から生み出す収益(の一部)を証券の利息や配当という形で投資家に分配し、不動産を売却(処分)した際は、売却収入を原資に証券の元本を投資家に償還します。
このように特定目的会社は、オリジネーターとの関係では不動産等をの受け皿会社であると同時に、投資家との関係では投資先・証券発行者であり、両者を証券によって結び付ける役割を果たします。
特定目的会社は、あくまで不動産等を証券に転化するための媒体(器)として用いられ、会社として実体的に機能することは求められません。
従って、特定目的会社が単独で重要な経営判断をすることもなければ、業務を行う従業員も存在しないのが通常です。
そこで実質的な経営判断は、アセットマネージャー(資産管理者:Asset Manager、AM)と呼ばれる外部の事業者がおこない、実際の不動産の開発についてはデベロッパー(開発事業者)に、管理運営については不動産管理会社(プロパティマネージャー:Property Manager、PM)に、会計・税務業務については会計事務所・税理士等に外部委託します。
※特定目的会社の機関(取締役)は独自の経営判断を行わず、裁判所に対する倒産を申立てる権利も放棄させるのが通常です。
以上のように特定目的会社を用いて不動産等を証券化することは、オリジネーターにとっては、大規模不動産の売却が容易になり、売却代金で資金調達を図ることができるとともに、保有資産から不動産を分離(オフバランス)できるメリットがあり、投資家にとっては、不動産に対する投資単位が小口化され、不動産への分散投資が可能になるとともに資産の流動性を向上させることも可能になるというメリットがあります。
当事務所は、不動産証券化スキームに用いる資産流動化法(SPC法)によって認められた特定目的会社(TMK)設立手続きをサポートいたします。
どうぞ、お気軽にお問い合わせください。
平日午前9時から午後6時まで受付けいたします
ご相談いただいた日または翌日(土日祝祭日除く)には回答いたします
ご依頼いただいた場合の手続の流れ
ご依頼いただいた場合は,次のような手続の流れになります。
また,設立する特定目的会社の名称が設立後に法的な問題を起こさないか,調査(事前調査)すべきか否か決めていただきます。
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代表者印は会社設立後,会社の実印にあたるものになります。
ご捺印いただきましたら,当事務所で公証役場に出向き,定款について公証人の認証を受けます。
公証人は法務局または地方法務局に所属する公務員です
同時並行し、登記に必要な定款以外の書面を当事務所で作成し、発起人及び役員のご印鑑を押印して頂きます。
登記を申請した日が特定目的会社の「設立日(誕生日)」になります。
登記完了後,当事務所からご依頼者に「登記事項証明書」,「代表者印の印鑑カード」,「代表者印の印鑑証明書」などをお渡しします。
ご依頼者にご用意いただくもの
ご依頼者の方は,次のものをご用意ください。
設立される会社の内容によっては,別途ご用意いただく書面等もございます。
- 発起人(特定出資者)全員の印鑑証明書(各1通)
定款の認証を受けるために公証人に提出します。発効日が定款の認証を受ける日より3月以内のものをご用意ください。 - 取締役の印鑑証明書(各1通)
法務局に提出します(発効日が登記を申請する日より3月以内のもの) - 会社代表者印
- 払込金保管証明書
金融機関に発行してもらい、法務局に提出します。定款認証後に発起人が金融機関に特定資本金(出資金)を預け入れることで発行してもらえます。
報酬・費用
当事務所の登記申請にかかる報酬は次のモデルケースをご参考ください。
なお,特定目的会社の内容(資産流動化計画の内容)等によって報酬が変動いたします。
特定資本金が10万円、会計監査人を置かない場合
このほか登記には3万円の登録免許税,公証人に支払う約5万2000円程度の手数料が必要です。
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