
遺産分割協議書の書式・サンプル
相続が開始すると、亡くなった方(被相続人)の財産は相続人に相続されますが、相続人が複数いる場合には、どの財産を誰が相続するのか相続人全員の話し合いで取り決めます(遺産分割協議)。
※遺産分割協議をするにあたっては、まずは誰が相続人であるかを確認するとともに、被相続人が残した遺産の調査をしましょう。
話し合いがまとまりましたら、財産などの名義変更ためや、後で争いが生じないようにするために遺産分割協議書を作成します。
ここでは、遺産分割協議書の書式・サンプルを紹介いたしますので、是非ご参考ください。
遺産分割協議書の書式・サンプル:
遺産分割協議書
被相続人○(昭和○年○月○日生、平成○年○月○日死亡、本籍○県○市○丁目○番○号、最後の住所○県○市○丁目○番○号)の遺産について、共同相続人妻○及び同長男○、同長女○は、全員の協議の結果、下記のとおり遺産を分割することを合意した。
1.次の遺産については、妻○が取得する。
※誰が、どの遺産を取得するかを明確かつ正確に記載しましょう。
○○銀行○○支店 普通預金 額面金○円
株式会社○○株式 ○株
家財家具・その他動産の全て
2.次の遺産については、長男○が取得する。
※遺産に不動産がある場合、不動産の表示は、登記上の情報のとおり正確に記載しましょう。
<土地の場合>
所 在 ○
地 番 ○番○
地 目 ○
地 積 ○平方メートル
<建物の場合>
所 在 ○ ○番地
家 屋 番 号 ○番○の○
種 類 ○
構 造 ○造○階建て
床 面 積 1階 ○平方メートル
2階 ○平方メートル
3.長男○は、未払いの債務、租税賦課の全てを負担する。
※未払いの債務や租税賦課がある場合は、誰がどのような割合で負担するか記載しましょう。
4.本協議書に記載なき遺産及び後日判明した遺産については、別途協議をすること。
以上のとおり、協議が真正に成立したことを証するため、この協議書を○通作成し、各自署名押印の上、各自1通を保有するものとする。
平成*年*月*日
相続人(妻) 住 所
氏 名 (実印)
相続人(長男)住 所
氏 名 (実印)
相続人(長女)住 所
氏 名 (実印)
代償分割をする場合の書式・サンプル:
特定の相続人が、一部または全部の遺産を相続する代わりに、他の相続人に金銭を支払う分割方法のことを代償分割といいます。
代償分割をする場合は、その代償額や支払い方法も次のように明確に記載しましょう。
代償分割を行った場合の相続税の課税価格は、代償として金銭の支払いを受けたときは、原則として『支払いを受けた代償額』が加算され、代償として金銭を支払ったときは、原則として『支払った代償額』が差し引かれます。
ただし、加算・差し引かれる代償額は、代償分割の対象となった資産の時価と相続税評価額との比例で評価することもできるので、詳しくは、税務署または税理士等の専門家に相談しましょう。
代償分割により現物の遺産を取得した相続人が、その代償として金銭を支払うために、取得した現物の遺産を売却する必要がある場合は、遺産を取得した相続人のみが譲渡所得税を負担することになるため、このような場合は、代償分割ではなく換価分割することをお勧めします。
換価分割をする場合の書式・サンプル:
土地や家屋の不動産や、株式などの現物の遺産の一部または全部を売却して、受け取った代金を相続人で分ける分割方法のことを換価分割といいます。
換価分割をする場合は、次のように換価分割であることを明確に記載するとともに、相続人全員で売却手続きを進めるのは煩雑になるので、大まかな売却条件を決めたうえで、売却手続きを担当する相続人を決めてしまうといいでしょう。
なお、売却は長男○が担当し、○年○月末日までに、金○円以上で売却するものとするものとし、この条件で売却できないときは、再協議のうえ、売却代金を減額して再度売却手続きを行うものとする。
<土地の表示>
所 在 ○
地 番 ○番○
地 目 ○
地 積 ○平方メートル
寄与分が認められる相続人がいる場合の書式・サンプル:
被相続人の事業を無報酬で手伝ってきた相続人や、被相続人の療養介護してきた相続人など、被相続人の財産の維持や増加に貢献した相続人には、その貢献の度合いに応じて相続分が増加されます。この増加される相続分を寄与分といいます。
寄与分が認められるのは、『相続人のみ』であって、かつ『特別の寄与』が必要です。夫婦や親子間の通常の助け合いの範囲の寄与があっても寄与分は認められません。
寄与分が認められる相続人がいる場合の相続分の計算方法は、まず遺産から寄与分の額を除き、残りを法定・指定相続分で分けて計算し、寄与者には寄与分を加算します。
具体的な寄与分は、遺産分割協議で取り決めますので、寄与分を取り決めた場合は、次のように記載すればいいでしょう。
寄与分の有無や額について、遺産分割協議で取り決められない場合は、家庭裁判所に調停の申し立てをすることができます。
